最近X (旧 Twitter)でちょい盛り上がっている話が「サイズ展開問題」です。
日本の編み物本に載っている編み図はほとんど1サイズです。
たまにM.Lがある程度です。
もっと大きいサイズの編み図があってもいい、欲しい、という投稿でした。
確かにねー。
これはたくさん理由や問題があると思っています。
海外の文章パターンが日本にも浸透してきた。
こういう声が上がってきたのには、海外のパターンが手に入りやすくなった背景があります。
海外のパターンは文章で、サイズ展開も6~8展開くらいあったりします。
私の知っている中で一番多いサイズ展開は16サイズ(子供サイズ含む)です。
そういう海外の編み図のサイズ展開が豊富なことを知ると、日本の出版社もサイズ展開してくれたらいいのにという気持ちが大きくなるのは当然かと思います。
誰だって大好きな編み物で、自分サイズのものを編みたいですよね。
そもそも日本人の体型に幅が少ない、MLサイズ体型の割合が多い。
何故サイズ展開が少ないかというと、需要が少ないことが挙げらるかと思います。
これは服を買いに行くことを思っていただくと分かる通り、お店に並んでいる服のサイズってほぼMLの2サイズです。
それ以外のサイズを買おうとしたら、サイズ展開の多いお店にわざわざ行かなければなりません。
出版されている編み物本は一番需要の大きいところがターゲットになっているということがあります。
文章パターンにサイズ展開が多い理由。
需要がある。
海外の方は体型に幅があり、ばらつきも日本ほど偏っていないので必然です。
文章パターンはサイズ展開がしやすい。
棒針編みで考えてみます。
メリヤス編みをするとします。
編み記号図はこんな感じです。
文章パターンは
(1~2段目略)
3段め(表) 表目を編む。
4段め(裏) 裏目を編む。
最後まで3~4段目を繰り返す。
というように表記されます。
サイズ展開をするとどうなるかというと
サイズ(S,M,L,LL)
(1~2段目略)
3段め(表) 表目を(5,7,9,11,13)編む。
4段め(裏) 裏目を編む。
最後まで3~4段目を繰り返す。
といったように、文章の中にカッコ書きでサイズに対応した表記がされるのです。
簡単ですよね。
一方、編み記号図では1サイズごとに(あるいは2サイズごと)にミニ製図に数字を入れたり、編み図を書くことになります。
文章パターンはもともとページ数が多い。
日本の編み記号図だと1デザイン1ページだったりしますが、セーターなどの文章パターンはページ数が多いです。
数ページのものから70ページ以上あるパターンもあります。
多少サイズ展開の表記が増えたところで、ページ数が多いのは当たり前だから誰も気にしなさそうです。
日本の編み物本も昔からサイズ展開があればよかったのでしょうけれど、1デザイン1ページだったものを数ページに増やすのはコスト的にも労力的にも大変です。
だから、日本の本に慣れているとサイズが増えてページ数が2倍になったらどう思うか、ということがありますね。
もしくはサイズが増えてデザインが減ってページ数は変わらない、とか。
後者の方が現実的かな。
もしくは文章パターンを載せるという手もありますが、相当なページ数になると思われます。
試しに考えてみたのですが、日本ヴォーグ社の「毛糸だま」は204ページ、約120作品、1760円です。
204ページ÷120作品=1.7ページ
少ないですね〜。
書くのに疲れてきた・・・
まあそんなわけで、海外のパターンはサイズ展開が豊富なんです。
編み記号図と文章パターンについての話も書きたいけど、また次回・・・
アデュー!
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